夜勤専従は「日中が自由になる」「収入が高い」といった魅力から注目されています。
しかし実際に働くと、体力的な負担や責任の重さなど、想像以上にハードな一面もあります。
この記事では夜勤専従のメリットと注意したいデメリットを、収入実態やリアルな声とともに詳しく解説します。
夜勤専従看護師の収入事情とは?見えてくる2つの実態
この章では以下の2点に注目して、夜勤専従の収入の実情を解説します。
- 夜勤専従の平均月収・年収
- 手取り・ボーナス・夜勤手当の内訳
夜勤専従という働き方は、看護師の中でも特に収入面で注目されています。
しかし実際の年収や手取りを理解しておかないと、「思っていたのと違う」と後悔するかもしれません。
ここでは、収入の実態を2つの視点から整理していきます。
夜勤専従の平均月収・年収
夜勤専従の看護師の平均年収は約500〜600万円で、月収は35万〜45万円ほどが一般的です。
これは日勤のみの看護師に比べて高く、夜勤手当の加算が大きな理由です。
勤務シフトによって夜勤回数が変動するため、年収にも差が出やすい傾向があります。
なお施設の規模や地域によっても収入は変動するため、事前に調査しておくことが大切です。
手取り・ボーナス・夜勤手当の内訳
支給額が高くても、税金や保険料の控除によって手取り額は下がります。
実際の手取りは月28〜35万円程度が目安です。
ボーナスは年2回で、合計60〜100万円ほどが相場です。
夜勤手当は1回あたり8,000〜15,000円程度で、回数が多いほど収入が増えます。
特に「準夜+深夜の通し勤務」がある職場では、手当が高めに設定されている傾向があります。
夜勤専従の働き方はキツい?勤務シフトと体力面を整理
この章では以下の点から、夜勤専従の働き方と体力面への影響を見ていきます。
- シフト例(2交代・3交代制)のパターン
- 拘束時間・休憩時間・勤務時間の実情
- 生活リズムと健康への影響
夜勤専従は収入面で魅力がありますが、勤務時間帯や拘束時間、健康への影響など、注意すべきポイントもあります。以下で具体的に見ていきましょう。
シフト例(2交代・3交代制)のパターン
夜勤専従の主な勤務形態は以下の通りです。
- 2交代制:16:30〜翌9:30(休憩2時間含む)
- 3交代制:準夜勤 16:30〜0:30、深夜勤 0:30〜9:00
2交代制は1回の勤務が16時間と長く、体力的にきつい一方で勤務回数が少なくて済みます。
3交代制は1回の勤務が短く分散されているため負担は軽減されますが、勤務日数は増える傾向があります。
拘束時間・休憩時間・勤務時間の実情
夜勤の拘束時間は16時間を超えることも珍しくなく、仮眠や食事休憩がしっかり確保されていない現場もあります。
中には仮眠が取れないまま朝まで働くケースもあり、勤務実態は職場によって大きく異なります。
勤務時間の割に実働が長くなりがちなので、事前に休憩体制やスタッフ配置を確認しておくと安心です。
生活リズムと健康への影響
夜勤によって生活リズムが崩れやすく、以下のような健康リスクが指摘されています。
- 睡眠障害や慢性疲労
- 食欲不振や体重増減
- 月経不順や肌荒れ
体内時計が乱れることで自律神経に影響が出やすく、特に長期的に夜勤を続ける場合は自己管理が不可欠です。定期的な運動や食事リズムの調整が重要になります。
夜勤専従・常勤で働くメリットとは?収入以外に得られる5つの価値
この章では、夜勤専従という働き方で得られる「5つの価値」について紹介します。
人間関係のストレスが少ない
夜勤は勤務人数が少ないため、人間関係のトラブルに巻き込まれにくい傾向があります。
業務に集中しやすく、無駄なコミュニケーションが少ないことから、精神的な負担も軽減されやすいです。
日中に自由時間が持てるライフスタイル
夜勤明けや休日には日中の自由時間が取れるため、次のようなメリットがあります。
- 平日昼間に買い物や通院ができる
- 子どもや家族との時間を確保しやすい
- 学びや副業に時間を使いやすい
日勤よりも時間管理の自由度が高く、自分のペースで生活しやすい点が特徴です。
看護業務に集中しやすい
夜間は患者数が少なく、業務内容もルーティン中心のため、比較的落ち着いた環境で仕事ができます。
急変などの対応はありますが、日勤のように多重業務に追われることは少なく、看護業務に集中しやすい環境です。
連休を取りやすい
2交代制では夜勤明け+公休の組み合わせにより、連休を取りやすい傾向があります。
プライベートの予定も立てやすく、旅行や帰省もしやすいメリットがあります。
委員会・研修参加が免除されやすい傾向
日勤帯で実施される委員会や研修への参加が免除されることが多く、勤務外の拘束を避けられる点も利点です。勤務以外の時間をプライベートにあてたい人には嬉しい環境です。
夜勤専従・常勤のデメリットと向いていない人の特徴
夜勤専従には以下のようなデメリットがあるため、すべての人に適しているとは限りません。
ここでは向いていない人の特徴もあわせて紹介します。
体力負担と健康リスク
夜勤は生活リズムが乱れやすく、以下のような健康リスクがあります。
- 睡眠の質の低下
- 消化不良や便秘
- 慢性的な疲労や倦怠感
とくに30代後半以降は体力の回復に時間がかかる傾向があるため、無理のない働き方が求められます。
一人夜勤の責任・プレッシャー
施設によっては「一人夜勤(ワンオペ)」体制があり、緊急時の対応や判断を一人で担う場面があります。
医師が不在の時間帯に判断を迫られることもあり、精神的な負担は大きめです。
患者情報の引き継ぎ不足による不安
夜勤では情報共有が不十分になりがちで、引き継ぎ漏れや曖昧な指示が不安材料になります。
また、夜間はスタッフが少ないため孤独を感じやすい点も注意が必要です。
転職のしづらさ・スキルアップ機会の減少
夜勤専従を長く続けていると、日勤業務で必要なスキルを習得する機会が少なくなります。
その結果、転職の際に「経験の偏り」がネックになることがあります。
夜勤専従の求人自体が少ないため、転職活動に時間がかかる可能性もあります。
収入アップを目指すなら?夜勤専従で年収を上げる2つの方法
夜勤専従でさらに収入アップを狙うために、次の2つのポイントが有効です。
夜勤手当が高い職場に絞って探す
求人を見る際は、基本給だけでなく「夜勤手当」の金額に注目しましょう。
1回あたり15,000円以上の手当が出る職場もあり、勤務回数が少なくても高収入につながります。
夜勤手当が非公開の場合は、面接や見学で確認することが大切です。
基本給+賞与がしっかり出る職場を選ぶ
夜勤手当が高くても、基本給や賞与が低いと年収は伸びません。
求人情報では「モデル年収」や「賞与実績」など、収入の全体像がわかる項目に注目しましょう。

夜勤専従に向いている人・向いていない人の特徴とは?
夜勤専従には向き・不向きがあり、以下のような特徴を持つ人は適性が高いといえます。
夜勤に適応しやすい性格・ライフスタイル
- 体力に自信があり、睡眠を調整できる
- 一人で物事を進めるのが得意
- 日中の自由時間を重視したい
一方で、他者との交流を重視したり、夜型の生活に不安がある人には不向きです。
家庭事情・年代による向き不向き
育児や介護などで日中に時間が必要な人には夜勤専従が向いています。
逆に40代以降は体力の低下も加味し、健康面のケアが欠かせません。
実際の看護師の体験談から見える傾向
「夜勤明けの自由時間が最高」「人間関係が楽」といったポジティブな声がある一方で、「睡眠の質が落ちた」「生活リズムが整わない」というネガティブな声もあります。
向き不向きが明確に分かれる働き方なので、自分の性格や生活に照らし合わせた判断が大切です。
夜勤専従・常勤という働き方は「収入」と「覚悟」のバランスで考える
夜勤専従は高収入を得やすい働き方ですが、体力や責任感、生活リズムなどの負担も大きいため、「覚悟」が必要です。
ここでは、自分に合った働き方を見極めるポイントを整理します。
夜勤専従は稼げるが、全員に向いているとは限らない
高収入が魅力の夜勤専従ですが、健康や勤務環境の特殊性もあるため、誰にでも適しているわけではありません。
「収入」と「生活の質」の両方を天秤にかけ、自分の価値観に合った判断が必要です。
自分に合った働き方を見極める3つのポイント
- 夜勤明けにしっかり休養が取れるか
- 急変対応や一人夜勤に備えた心構えがあるか
- キャリアプランと夜勤専従が合致しているか
この3点を基準に、自分に合った働き方を選びましょう。
この記事のまとめ
- 夜勤専従・常勤は月収35万円以上、年収500万円超えも可能
- 勤務時間が長く、体力・健康面への配慮が重要
- 人間関係のストレスや委員会参加が少ないなどのメリットあり
- 転職時にスキルの偏りがネックになるリスクも存在
- 自分の性格・生活環境・将来設計に合うかどうかが重要な判断軸
夜勤専従・常勤という働き方には、メリットとデメリットがはっきりしています。
「稼げる」だけで判断するのではなく、自分のライフスタイルや体調、キャリアの方向性に合っているかをしっかり見極めましょう。
納得のいく働き方を選ぶことが、長く健康に看護師として活躍する第一歩です。
免責事項
本記事は、夜勤専従・常勤の看護師としての働き方や収入に関する一般的な情報をもとに作成されたものであり、すべての職場や個人に当てはまるものではありません。実際の勤務条件や待遇は医療機関ごとに異なりますので、就職・転職などの判断は各自で最新の情報を確認し、ご自身の状況に合わせて慎重にご判断ください。
また、健康や働き方に関する記述は医学的アドバイスを目的としたものではありません。体調不良や医療的な懸念がある場合は、必ず医師や専門機関にご相談ください。